中国発のエンターテインメントに焦点を当てたプラットフォーム型通貨です。
5月31日のメインネットの公開を前に、価格を伴い盛り上がりを見せています。
2017年の仮想通貨第一次バブルから注目されていたTRONについて、メインネット移行のニュースを中心に情報をまとめてみました。
TRONの基本情報については、こちらの記事で紹介しています。
TRONのメインネット移行の詳細
TRONは、イーサリアムのプラットフォームにより発行されたERC20規格のトークンです。
今回のメインネット移行は、現在運用されているイーサリアムのプラットフォームから、独自に開発されたTRONのプラットフォームへ運用が移行されるという大規模な計画です。
独自のメインネットに移るにあたり、テストネットによる試験運用が行われました。
It took #TRON just two days to go from 126 to 253 nodes in 5 continents! China is currently at the top w 91 nodes. US, Mexico, Spain, Turkey, and others are doing great! Welcome to testnet! #TRX $TRX pic.twitter.com/ADOuU0CxmZ
— Justin Sun (@justinsuntron) 2018年4月4日
世界5大陸に126のノードを設置し試験は行われました。
メインネットの公開は5月31日を予定しており、公式サイトではカウントダウンが行われています。
創設者のジャスティン・サン氏もTwitterで頻繁に宣伝を行っています。
$TRX #TRX Re-designed Website of #TRON Launched, let’s sail again.https://t.co/wCkZk1Fvs0
— Justin Sun (@justinsuntron) 2018年5月15日
メインネット移行に向け公式サイトのデザインを一新したりと、プロジェクト全体の気合がうかがえます。
TRX(ERC20)からTRXへ
メインネット移行へ伴い、コインもこれまでのERC20規格のものから独自に開発された新TRXへスワップが行われます。
TRXへの移行
ERC20 TRXからMainnet TRXへのトークン移行は、6月21日〜6月25日(GMT + 8)の間に行われます。
あなたのTRXが取引所にある場合、何もする必要はありません。
あなたのTRXがウォレットある場合、損失を避けるためTRXを2018年6月24日までに取引所に預ける必要があります。
6月21日から25日にかけてTRXの取引所からの出金は停止されます。
そして6月25日には、取引所でのTRXの入金と出金両方が停止されます。
この期間中、TRXの取引は行うことができます。
入金と送金は6月26日に再開します。
あなたのTRXがウォレットに入れられていて移行の通知を知らなかった場合、または6月25日以降に移行通知を見た場合は、永久トークン交換カウンタでMainnet TRXのトークンを交換してください。
以上の期間で、取引所へのTRXの入金・出金は停止されるようですが、取引自体には影響がないとのことです。
また、ウォレットに保管されている場合はこの期間中にスワップができないため取引所への送付を促しています。しかし、この期間中にスワップできなかった場合でも、無期限で新トークンへに交換対応してくれるようです。
スワップの際は、トークンの価値はそのままで1:1で交換が行われます。
新TRXへのスワップが行われる取引所が公式Twitterで発表されています。
Token migration from ERC20 to Mainnet TRX will occur between June 21 to June 25. If your #TRX are held in a wallet, you must deposit them with a supporting exchange before June 24th 11:59PM (GMT+8). Check the partners already supporting the migration! Stay tuned for more! pic.twitter.com/io2u0gZwam
— Tron Foundation (@Tronfoundation) 2018年5月15日
Binance、Bitfinex、Bittrexなど大手の取引所からの協力を得ています。また、上記以外でも新TRXへの移行に対応する取引所が公式Twitterで随時発表されています。
新TRXの性能
ERC20規格と比較し、新TRXは性能面でどのような特徴があるのかジャスティン・サン氏のTwitterに資料が投稿されました。
Why #TRON is better than #ETH: 1. 10000TPS vs. 25TPS 2. zero fee vs. high fee 3. consistent Coinburn vs. no coinburn 4. Java vs. Solidity 5. strong extensibility vs. no ex. 6. 1 billion USD developers rewards vs. no plan 7. 100 million users vs. small number #TRX $TRX pic.twitter.com/WvxH5EToa8
— Justin Sun (@justinsuntron) 2018年4月6日
TRX | Ethereum | |
処理速度 | 10,000件/秒 | 25件/秒 |
手数料 | 無料 | 高い |
追加発行 | 2021年までなし | 発行し続けている |
コインバーン | 整合性のあるバーンを行う | なし |
開発言語 | java(誰でも利用することができる) | solidity(習得に時間がかかる) |
拡張性 | protobufによる高い拡張性 ※1 | 拡張サポートなし |
Dapps利用者数 | 1億近く | 比較的少数 |
モバイル開発の経験 | 数億の登録者がいるモバイルサービス開発の経験有り | なし |
開発者報酬 | 10億ドル | 決められていない |
マイナー(デリゲート)報酬 | 100億以上 | 不明 |
互換性 | 接続サポートしているVM | EVMのみ ※2 |
※1 protobufはgoogleによって開発されたインターフェース定義言語。
※2 EVM = Ethereum Virtual Machine
若干、イーサリアムの評価が詳細でないところもありますが、イーサリアムの短所を改善するとともに、プラットフォームやプロジェクトの運用面についても計画性があることがわかります。
また、メインネット移行のきっかけとしてERC20として様々な問題に直面したことがあります。そのためこのようにイーサリアムとの比較を行い公開したことが考えられます。
トランザクションの処理速度は既存の仮想通貨の中でも上位に入る性能です。枚数管理に関してもよりコイン保有者に配慮した計画となっています。
2018年第4四半期には、クロスチェーンの実装も計画しており、開発陣の技術力の高さもうかがえます。
次の項でも説明しますが、TRONはトランザクションの承認処理をあらかじめ決められた代表者に委任するDPOSのシステムを採用しています。
DPOSのメリット
Super Representative総選挙
Super Representativeは、TRONコミュニティのメンバーの中から総選挙によって選ばれる27人の代表者です。
Super Representativeとして代表者になると、1ブロックのトランザクションを承認することで、32TRXが報酬として与えられます。
Super Representativeには年間10億TRX以上がに報酬として付与されることとなっています。
枚数が増えることでコインのインフレが懸念されますが、2021年まではTRON Foundationが保有するTRXが使われるため心配ないとのことです。
すでに120以上の企業、個人が名乗りを上げています。大手のマイニング企業も参加していることに注目です。
Super Representativeに立候補するには、厳しい条件があります。
Webサイトを保有していること、マシンの性能(CPUからSSDの容量、ネットワーク速度等)、Twitterなどのソーシャルメディアのフォロワー数等、細かく条件が定められています。
承認処理の処理能力や情報の拡散力、不正を行わない信頼性などを判断するために必要な情報を開示しなければなりません。
以上の情報をもとに、コミュニティメンバーによる投票が行われる仕組みです。
投票は6月26日から24時間の間に行われます。
GitHub コミットランキング1位へ
#TRON $TRX According to @TokenInsight, #TRX keeps it’s first place in 7-day Github Commits Rankings.😀 pic.twitter.com/QMk2zu9fT4
— Justin Sun (@justinsuntron) 2018年5月21日
TRONは、Web上ソースコード管理サービスであるGitHubで、仮想通貨の中でコミットランキング1位になりました。
これは、より多くのソースコードを更新していることを表します。
メインネット公開に向け、開発プロジェクトが活発に動いていることが要因と思われます。
仮想通貨を評価するにあたり、開発頻度はプロジェクトがどれだけアクティブかを示す指標となりますので、今回の結果は大変重要な点です。
TRONのGitHubは、 https://github.com/tronprotocolで確認することができます。
記事執筆時点でも、数時間前に更新されたばかりのプロジェクトがありました。
TRONプログラムコンテストの開催
TRONプログラミングコンテストを行うことが2018年4月に発表されました。応募締め切りは5月20日で終わっていますが、プロモーションとしてとてもおもしろい企画です。
賞金総額はなんと1億円以上!
提出するアプリケーションの要件は以下の三つ
- コールドウォレット
- ホットウォレット
- ブロックチェーンエクスプローラ
いずれも、TRONのプラットフォームと互換性があることが条件です。
結果発表は5月27日となっており、優秀プロジェクトにはTRONローンとして開発資金の貸付けがされます。
この貸付けにより、長期的なTRONの発展と普及に関する開発活動が支援されます。
今後の投資戦略
TRXの現在の価格です。
記事執筆時の時価総額ランキングでなんとトップ10入りしています。
当然メインネット移行を前にし一時的に取引が活発化していることが考えられます。
しかし一時的な動きにしても、ここまで上位通貨として価値を上げることは、それなりの信頼や期待がこの銘柄に集まっている証拠といえるでしょう。
また、工夫を凝らしたプロモーション活動が常に活発に行われていることに併せ、リアルタイム性のある開発チームの動きがあることも好感を持てる材料です。
こういった内容から、長期的に保有できる材料は十分あると考えられます。
短期的には、値動きを注視しながらエントリーし、メインネット公開やコインスワップに向けた期待上げで利益を積み重ねる戦略も十分可能であると思います。
懸念材料としては、直近で計画されているメインネット公開とコインスワップが予定通り行われないという結末です。
延期や中止となった場合、期待により上昇していた価格が一気に暴落する可能性が考えられます。
短期での保有を考えている方は、常にジャスティンサンのTwitter(@justinsuntron)をチェックしておく必要があるかもしれません。
多くの仮想通貨は重要イベントの直後は高確率で暴落する動きを見せますので、高値で買ってしまわないように買いのタイミングを慎重に図ることが大切です。
TRON最新情報まとめ
初期の段階では、派手な宣伝活動に中身が伴っておらず詐欺との疑惑まででた銘柄ですが、継続的かつ頻繁な情報発信と、工夫を凝らしたプロモーション活動により上位アルトコインとして地位を確立しつつあります。
メインネット移行は、仮想通貨にとって大きな転換期となりますので、6月以降の動きに注目したい銘柄です。
TRONは多くの取引所に上場しておりますが、取引量、セキュリティの面からBiannce(バイナンス)での取引をお勧めします。
登録方法については↓の記事で解説しております。