TRON(TRX)提携先と上場先から見る将来性

TRONは中国でJustin Sun(ジャスティン・サン)が始めた仮想通貨です。ICOが30分で完売したのは有名な話です。デジタルエンターテインメント分野での利用を想定して作られています。

現在のデジタルエンターテインメントは、SNSや動画サイトの発達により個人でも簡単に発信できる環境となっています。TRONは、そういった個人がより簡単に取引や報酬を得やすい環境作りを目指しています。

現在のデジタルエンターテインメントのシステムは、気軽にコンテンツを作成し世界に向けて発信することができます。しかしコンテンツの提供者が利益や報酬を得にくい作りとなっています。

なぜなら、システムの管理者に利益が集中するシステムになっているからです。

そこでTRONが、もっとコンテンツの発信者にとって有益な基盤の構築を目的として作られました。TRONは通貨の名前ではなくそういったプラットフォームのことを指します。報酬やゲーム内の通貨として使われるのがTRXコインです。

 

では、今後のTRXの価値に大きく関わってくる提携先や上場取引所について説明します。

有名大手企業?との提携

中国発のTRONはアジア圏を中心に有名大手企業との提携をいくつか発表しています。提携先の規模やサービス内容を詳しく見ることで、TRONの将来性を考えてみます。

大手サイクルシェアリング企業【Obike】との提携

2017年12月、代表のジャスティン・サン氏によりObikeとの提携が発表されました。Obikeは台湾で自転車のシェアサービスを展開する企業です。

Obikeは、2017年1月から始まった若い企業です。専用のアプリを利用し、自転車のロック操作や決済を行うサービスです。アジア各国に進出し1月にはシンガポールの配車サービス企業Grabと戦略提携し支払い機能の利便性を向上させるなど、野心的な動きが目立つ企業です。

現在Obikeがサービスを展開する国は、シンガポール、マレーシア、台湾、韓国、タイ、香港、オーストラリア、オーストリア、ドイツ、オランダ、スペイン、スイス、イギリス、ベルギー、スウェーデン、イタリアです。日本進出の話は今のところ確認できていませんが、アジア、ヨーロッパを中心に多くの国に進出していることから、それなりの規模の企業であることがうかがえます。

しかし、バイクシェアのマーケットは、アジア、ヨーロッパを中心にすでに数え切れないほどの企業がサービスを展開済みであり、Obikeは進出がかなり遅い印象があります。進出を果たしている国の数はそれなりに多いですが、進出先では必ずしも大きなシェアを得ているとは限らないようです。実際、2017年にサービスを始めた台湾では、2009年にサービスを始めた「YouBike」が圧倒的なシェアを誇っており、かなり出遅れた感のあるObikeは不利な状況にあります。

そういった状況をアプリの利便性や簡素な決済方法でカバーしシェアを拡大していけるかが、今後のObikeの企業価値に関わってくるのではないでしょうか。

ちなみに、ObikeではOCoinという仮想通貨を発行しそのプラットフォームにTRONのブロックチェーン技術を利用しています。決済方法にブロックチェーン技術を取り入れたのはバイクシェアの業界でも先進的なことです。

 

中国版NetFlix【BAOFeng】との提携

2018年1月10日、TRONより以下のような発表がありました。

Tron is partnering with BAOFeng (the Netflix of China). 

TRONはBAOFeng(中国のNetflix)と提携しています。

Baofengとはどのような会社なのでしょう。

BAOFengは中国の映像ストリーミング配信事業会社です。TRONの発表の中では「中国のNetflix」と記載がありました。ユーザー数は2億人以上と言われています。ユーザー数から見てBAOFengはどのくらいの規模の会社なのでしょう。

以下、世界的映像配信サービスです。

・Hulu        3200万人以上

・Netflix      1億2800万人以上

BAOFengの圧勝ですね。以上と比較するとかなりのユーザー数を抱えるサービスとの印象を持ちます。

しかし、同じ中国にはTOP3のYOUKUTencentiQiyi(あのBaiduが提供)など大手の独壇場となっています。

「Netflix of China」の本家はiQiyiと言われているようです。iQiyiはナスダックに上場すべくIPOを行てっておりアメリカ進出に向けて動いています。

また、世界には同じように映像を配信するサービスが無数にあり、現在「Best of Streaming Service of 2018」と呼ばれているのが以下のサービスです。

 

どれも聞いたことがあるサービスの名前ですね。マーケットは大企業による独占状態です。

このように、映像配信サービスは世界的にライバルが多くBAOFengにとって厳しい状況となっているのではないでしょうか。

また、中国企業ということもあるのかもしれませんが、この記事を書くにあたりBAOFeng自身の情報が極めて少なかったのも一つ気になる点でした。ほとんどがTRON伝いの情報で、具体的な企業情報が一切ヒットしませんでした。それだけ成長途中の企業だからなのでしょうか。

今後どのようにBAOFengが企業成長を成していくのかが、提携したTRONの価値にも大きく関わってくると思います。

逆に現在の映像配信サービスは大企業による中央集権的なシステムなので、TRONのブロックチェーンのプラットフォームにBAOFengのコンテンツが載せられて、これまでにない映像サービスの仕組みになるのも楽しみなところでもあります。

 

 

音楽ストリーミングサービス【Peiwo】にTRXを統合

以前から、ジャスティン氏が作った音楽ストリーミングサービスPeiwoTRXを組み込むとのアナウンスがありましたが、2018年1月19日、統合がほぼ完了したとの発表がありました。

ジャスティン氏が自ら手掛けるサービスであるPeiwoがTRONを実装する最初のサービスとなりました。

 

さて、このPeiwoですが情報がなかなかありません。ユーザー数は1000万人で、音楽ストリーミングサービスの他に、LINEのようなチャットやマッチングアプリのようなサービスもあるようです。

中国で有名なSNSといえば、中国版LINEのWeChat、中国版Twitterのウェイボー(微博)などが思い浮かぶと思います。また、WeChatを運営するTencentは中国でのIT企業の最大手です。

ちなみにWeChatのユーザー数は10億人と言われています。まさにLINE並みの普及率ですね。

また、Tencentは、QQMusicという音楽ストリーミングサービスを展開しており、2017年には競合の大手と合併し市場の約40%以上を占めています。

さらにTencentのCEOはブロックチェーン技術にとても関心があり、これまでのWeChatのネットワークをブロックチェーンにて分散させる意向を示しています。2017年9月には、インテルと共同で企業向けにブロックチェーン総合ソリューションを開発する意向表明書にサインをしました。

以上から、これらの大手企業が同サービスにブロックチェーン技術を組み込むことは時間の問題で、TRONのPeiwo統合は決して真新しいものではないことがわかります。

マーケットのパワーバランス目線で書きましたが、印象としてはあくまでTRON自体が実用されたことのインパクトが大きく、統合した対象がPeiwoであったことでの将来性はほぼ不透明と言っていいのではないでしょうか。

また、仮想通貨としての趣旨は違いますが、音楽サービスで言えばイーサリアムをベースにして作られたVoiseが音楽サービスに特化したプラットフォームとして存在します。Voiseトークンがコンテンツプロバイダーに報酬として付与される部分はTRONと共通する部分です。

上場先から見るTRONの将来性

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coinmarketcapの表ですが、取引量上位の取引所のリストです。思ったより上場先は多いですが、やはりBinanceBittrexなどが取引量も多く、取引所としての規模も大きいのではないでしょうか。

Binanceについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

Bittrexは、アメリカの取引所でメジャーなコインから時価総額の低いマイナーなコインまで約200種類以上の仮想通貨を取り扱っています。アメリカで有名な取引所といえばCoinBaseですが、ビットコインの取引高は全取引所の内約3%を占め世界でも大手に入る取引所です。

TRONは3月2日にBittrexへの上場が発表されました。

現在市場が冷え切っていることもあり価格は低迷していますが、日本に次ぐ仮想通貨大国であるアメリカの取引所で取り扱われることはTRXの取引機会が増えるということを意味します。USD建てでのビットコイン取引が多いことからも、アメリカでの仮想通貨取引が活発なことがうかがえます。

目指すは日本取引所への上場

多くの取引所でTRXが扱われることは良いことですが、無差別に将来性の無いコインを扱う取引所に上場しても価値の上昇にはつながりにくいです。また、日本アメリカ中国などの仮想通貨保有率が高い国の中でも取引量が多い取引所へ上場することが、TRXの価値を上げる為必要なことです。

そういった点では、BittrexBinanceでの取扱いは今後のTRXにとって価値上昇の準備が整ったと言えるのではないでしょうか。

しかし、世界一の仮想通貨大国である日本への進出はまだ果たせていません。以前、日本上陸を匂わせる発言がジャスティン氏からありました。

2018年に入り市場にとって様々なネガティブ要因が発生したことで、この話の行く末がどうなったのかわからなくなってしまいました。

ただし、日本上場に向けての動きが続いているのならば大量のジャパンマネーがTRXに流入することに期待できます。その理由としては、

日本の取引所は海外の取引所に比べ極端に少ないです。一番多くてもcoincheckの13銘柄です。この理由は、金融庁に認可される為には、顧客保護を最優先とした銘柄の選定を行う必要があるからです。その為、詐欺やマネーロンダリングに利用されかねない信頼性に欠ける通貨は日本の多くの取引所にはありません。

よって、日本の取引所に上場されるということは、その通貨の信頼性や将来性がある程度認められたと言えることになります。

それだけ日本上場の話はTRONにとってインパクトのあるニュースだったのだと思います。ぜひTRONには今後も日本上場に向けて動いてもらいたいところですが、昨今のcoincheck事件や金融庁による監視強化の動きを見ると、事態がだいぶ落ち着いてからになるのではないでしょうか。

まとめ

TRONについてはアジア大手のネット通販企業Alibabaとの提携や、上述したような日本上場のニュースなど本当だったら大変インパクトのある情報が噂レベルで存在しています。

また、すでに提携を結んだサービスも将来的にTRONにとってどれだけの価値の変化をもたらすのか不透明な部分が多いです。

しかし、TRONの開発理念は大変すばらしく、個人が多くのコンテンツを世界に向けて発信できる世の中になった現在、TRONのプラットフォームはそういった動きをより活発化させるものだと思います。価値を生み出すものの中心が、既存のプラットフォームにあふれる広告から個人が生み出したコンテンツ自体に見いだされるようになるのも大変魅力的な構想です。

様々な情報を冷静に判断するとともに、TRON自体の仕組みや目的を理解したうえで長期的な視点で投資するのが良いかと思われます。