前回はエリオット波動の基本について書きました。
エリオット波動を使用したエントリーの一例を紹介しましたが、今回はフィボナッチリトレースメントについて詳しく書きたいと思います。
相場と正しく向き合い利益を積み重ねていくには、チャートを分析しより勝率の高いエントリーポイントを見極めていくのが大切です。 今回は、チャートの周期性を根拠にエントリーポイントを探るための指標エリオット波動について解説します。  […]
フィボナッチとは
フィボナッチは、イタリアの数学者の名前から付けられた数列の呼び方です。
フィボナッチ数列
1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89・・・
直前の二つの数値の和が次の数値になっているのがフィボナッチ数列の法則です。
1+1=2
1+2=3
2+3=5
3+5=8
5+8=13・・・
のような感じです。
フィボナッチ数列は、その数値同士が面白い関係を持っています。
数列のある数値は次の数値の0.618倍となる。
数列のある数値は二つあとの数値の0.382倍となる。
この0.618や0.328は、数学の世界ではとても美しい比率と言われ、黄金比などとも呼ばれたりして、様々な分野で使われています。
これ以上は数学の分野に話が脱線してしまいますので、さっそく相場の世界でどのようにフィボナッチが使われているのか説明します。
相場での使われ方
簡単な図で説明します。
フィボナッチリトレースメントでは、最安値と最高値にそれぞれ100%と0%の線を引きます。
上昇トレンドが発生して高値を付けた場合、当然相場は下落します。
そして、その下落が高値に対して何%のところで反発するか予想するためにあるテクニカル指標がフィボナッチリトレースメントです。
黄金比であるフィボナッチの比率は、人間がチャートの形状を見た場合、きれいな場所で反発しているように見えます。
実際にどのような理論でフィボナッチ比率によりチャートが描かれているのかはわかりませんが、多くのトレーダーが意識する場面なので、当然買いや売りの注文が多くなるポイントができあがります。
ここでは冒頭で少し触れた数字が比率として使われることになります。
フィボナッチを利用したトレードで使われるのは、23.6%、38.2%、50%、61.8%、76.4%です。
フィボナッチ・リトレースメント
フィボナッチリトレースメントを実際のチャートに表示し、反発したポイントを確認してみます。
ポンド円の4時間足です。
底値から勢いよく上昇し、高値を付けた後天井から38.2%のところで反転しています。
その際強い反転サインである買いの下髭をつけていることにも注目です。
フィボナッチリトレースメントの数字は、相場の強弱の目安ともなります。
23.6、38.2で反発した場合は押しが浅いためトレンドに勢いがある場合が多いです。
また、50や61.8は押しが深く反発しても伸びない可能性が高いといわれています。
フィボナッチ+エリオット波動
フィボナッチとエリオット波動によるエントリーと相場の展開を予想する方法を紹介します。
先ほどのポンド円で、今回は1時間足での表示です。
エリオット波動の3波を取りに行くために、1波の調整である2波の押しをフィボナッチリトレースメントにより予想しています。
この場合、61.8%まで調整が入り、そこを起点として3波の長い上昇につながっています。
また、61.8%のポイントが1波の高値を付ける前に一度小さな下落で反発しているポイントでもあります。これによりこのラインが強く意識されていることが分かります。
同じチャートで、2波の底を起点としてフィボナッチリトレースメントで4波の押しも狙いにいくことができます。
エリオット波動を利用することで、未来の値動きをある程度予想することができるとともに、現在の局面を知ることができます。
逆にエリオットのみでは2波や4波の押しがどのくらいか予想するのは難しいので、フィボナッチを併用することにより底の地点をいくつかに絞ることができるようになります。
フィボナッチリトレースメントの表示方法
bitFlyer Lightningでのフィボナッチの表示方法を説明します。
チャート右にある三本の線のボタンをクリックします。
クリックするとカーソルが〇に変わります。
始点としたいラインでクリックし、次に高値(または安値)をクリックすると線が表示されます。簡単です。
優位性のあるエントリーポイントとは
チャートを分析するにあたり、意識されるポイント(売り圧力・買い圧力が強いライン)を知ることは大変重要になってきます。
フィボナッチを使うことで、世界中のトレーダーが見ている重要なポイントにあたりをつけることが可能となります。
また、フィボナッチだけでなく、水平線やトレンドラインなどを様々な指標を利用することでもそれらは可能となります。
重要ラインでエントリーすることは、勝率の高いポジションをとれるだけではなく、万が一ラインが突破された場合に素早い損切りが可能となります。
よって、重要ラインを意識することで大きな利益を狙え、なおかつ損失を最小限に抑えることのできる優位性のあるトレードができることとなります。
フィボナッチに関する記事でしたが、できれば今回紹介したエリオット波動との併用以外にも様々なチャートの指標と組み合わせることで、より強いラインを見つけ出すことができるようになります。