iXLedger(IXT)は、保険業界での利用を目的に開発された仮想通貨です。
市場規模として大変大きい保険業界での採用は大変期待できますが、IXTの特徴やプロジェクトの計画から将来性について考察します。
IXTの概要
通貨単位:IXT
流通枚数:35,778,844IXT
総発行枚数:65,778,844IXT
通貨種類:ERC20
公式サイト:https://www.ixledger.com/
ホワイトペーパー:https://www.ixledger.com/wp-content/uploads/2018/05/ixledger_whitepaper_v1.2.docx.pdf?
Twitter:https://twitter.com/iXledger
iXledgerは、2017年のロンドンで、ブロックチェーンによる効率性に関心を持つ顧客の声によって設立されました。
私たちの目標は、革新的な技術を使って保険のプラットフォームを創ることです。
iXledgerアーキテクチャは、React、NodeJS、Ethereum Blockchain、およびOrientDBからなる最先端のスタックを使用しています。
iXLedger(IXT)はERC20準拠のイーサリアムベースの仮想通貨です。
2017年6月に公開されました。
当初はInsureXの名前でしたがその後現在のiXLedgerとなりました。
iXledgerの目的と機能
まず、現在の保険の問題点を挙げてみたいと思います。
- 保険を扱うにあたり多くの仲介者が必要となる。
- 手作業による手続きが多い。
- スマートフォンなどを利用したモバイル手続きに非対応
- 個人が個別に担当者と手続きをしなければならない。
多くの業界がネットワークを活用し効率化を図っている中で、保険業界は依然無駄が多く非効率な業務を行っています。
これらの問題点を解決するためIXTが開発されました。
iXledgerではデジタル化を進め、モバイルアプリやブロックチェーン技術を利用した保険の効率化と拡大を主な目的としています。
具体的には、同時のIXTプラっとフォームを使用し、マッチングの効率化や収益の拡大を目指していくとしています。
以下でさらに詳しく解説します。
iXledgerプラットフォーム
iXledgerプラットフォームは、保険仲立人、保険会社、※再保険会社を対象として開発されています。
※再保険とは、保険会社が加入する保険商品。
主な機能は以下の通りです。
メッセージング機能
提案プロセスに基づき、安全なリアルタイムメッセージのやり取りを実現することで、素早く条件の同意をすることができる。
モバイルアプリケーション
スマートフォンなどのモバイル端末でも、プラットフォームのすべての機能を使うことができます。
資料の共有
ブロックチェーンを利用したプラットフォームにより、機密情報を含む資料の共有を効率的に行うことができます。
ブロックチェーンを用いた契約内容の同意
契約内容の変更を共同作業で行うことができます。また、変更の承認はブロックチェーン上で行われ、全てのビジネスパートナーの同意によりトランザクションが承認されます。
市場分析とパフォーマンス分析
プラットフォームにより、顧客のインサイト(希望)やチームのパフォーマンスを分析することができます。
以上の機能をブロックチェーンを用いたプラットフォームで運用することにより、既存の無駄な手間を省くことができます。
また、特定の保険会社に縛られることのない独立したソリューションとすることで、会社や地域に縛られることなく世界標準の保険サービスを提供することができます。
イーサリアムベースのブロックチェーンを用いることで、外部のソリューションと簡単に連携が取れるほか、開発も容易に行えます。
iXledgerのブロックチェーンではスマートコントラクトにより主な処理が行われます。
スマートコントラクトとは、「契約の自動化」を意味する言葉で、イーサリアムの機能として存在します。
iXledgerのプラットフォームでは、ブロックチェーンにより契約内容のデータや顧客情報を管理するとともに、このスマートコントラクトを利用することで、これまで手作業で行われていた保険の契約の手続きをより簡略化することが可能となりました。
また、手作業が必要ではない処理を最大限自動化することにより高速な契約処理を実現することができます。
iXledgerトークン
iXledgerトークン(IXT)は、トランザクション処理や様々な場面での支払いに利用されます。
トークン保有者は、サービスへの前払いという形でIXTを保有することになります。
発行トークンの割り当てと枚数管理
ICO発行分 65,778,844 IXT
プロジェクト保有分 15,839,549 IXT(全体の24.08%)
以上が、大まかな割り当てです。
プロジェクト保有分は、
予約プールとして10,000,000 IXT、チームメンバーへの報酬として5,839,549 IXTが初期サイズで用意されています。
IXTでは、手数料の一部をバーンする仕組みがとられています。
手数料が発生するほどバーンされるため、枚数はどんどん減っていきますが、その場合予約プールから補充されることとなります。
予約プールが枯渇した場合は、手数料がバーンされずに予約プールへ補充されます。
まだプラットフォームが稼働していないため、流通枚数がどのように変化していくのかは未知ですが、一般的にバーンが行われると1枚の価値が上がるため、価格も上昇しやすくなります。
IXTによる支払いと報酬
保険に関する手続きでの支払いや、招待や組織作成など、iXledgerの普及に関するアクティビティにも報酬が付与されます。
それぞれの価格に関してはまだ未定です。
ロードマップ
2018年第二四半期には一般利用可能なプラットフォームを公開する予定です。
その後、段階的にプラットフォームに様々な機能を実装しながら、2019年第一四半期に正式なサービス開始をする予定です。
大型提携
Gen-re
2018年8月には大手保険会社Gen-re(ジェネラル再保険)との提携を発表しました。
Gen-reは再保険の業界で世界第5位の大手企業です。
アメリカを拠点とし、4000人近い従業員を抱える企業です。
Gen-reは大手の投資企業として知られるバークシャーハサウェイのグループ企業です。バークシャーハサウェイはほかにバンクオブアメリカやアメリカンエキスプレス、アップルなどの大企業の株を大量に保有しています。
unisonSteadfast
2018年6月には、世界最大手の国際仲介業者ネットワークの1つであるunisonSteadfastと戦略的パートナーシップを結びました。
unisonSteadfastは130カ国の550以上のブローカーと2万人の従業員を擁する国際的な大企業です。
扱う保険料は総額20億ドルともいわれています。
Self Insurance
SelfInsuranceは、自家保険を行いたい企業とコンサルタントをマッチングさせるための会員制サイトです。拠点はロンドンで事業は2011年から行っているようです。サイト自体は2018年の9月に公開されたばかりでサービスがローンチされてからはまだ月日は経っていません。
自家保険とは、企業が保険会社を利用するのではなく、自社内に資金を貯めておき万が一の場合に保険としてその資金を利用する仕組みのことを言います。大企業だとわざわざ保険会社せずに自家保険の仕組みを採用することがあります。
世界の保険市場は300兆円規模
世界各国の損害保険の保険料一覧です。(参考:MS&ADホールディングス)
注目は、世界各国の合計で損害保険だけでも250兆円近くの規模があります。
GDPに占める割合は2.7%も占めています。
また、生命保険も含めると、保険市場全体では300兆円近い巨大なマーケットです。
当たればかなり大きい市場をターゲットにしているプロジェクトと言えます。
この市場にiXledgerが切り込んでいけるかが、IXTの価値を大きく左右する材料になっていくでしょう。
今後の価格予想と投資戦略
記事作成時点での価格は40円前後です。
時価総額ランキングは370位前後と、まだまだ伸びしろはある銘柄です。
伸びしろを判断する材料のひとつは、まず発行枚数です。
最大発行枚数でも7000万枚以下とかなり少なめです。
上位アルトコインと比較すると、現在5000円前後をつけているNEOで最大1億枚。
1万円前後をつけているLiteCoinで最大8400万枚です。
これらのコインは上位10位に入る銘柄ですので単純に比較の対象にはなり得ませんが、100~200位の下位コインと比較しても数倍の伸びしろはある銘柄です。
今後、提携先の追加や正式サービス開始などを経て注目を浴びてくれば大きなリターンを得られる可能性は十分にあると思われます。
次に保険の市場規模の大きさです。
約300兆円規模のマーケットでIXTのプラットフォームがスタンダードな存在となれば、IXTの高騰はかなり期待できるでしょう。
ICT(情報通信)の分野の市場規模は約500兆円です。それを踏まえると保険業界の全体の規模の大きさがわかります。
また、他の仮想通貨がターゲットとしている市場に比べ、保険業界はデジタル化が進んでおらずiXledgerが参入する余地は比較的大きいと考えられます。
決済系通貨や、コンテンツ配信などに焦点をあてた仮想通貨は上位アルトコインを含め数多くありますが、保険業界をターゲットとした仮想通貨が少ないこともIXTに期待できる材料の一つです。
懸念材料としては、認知度の低さです。
時価総額ランキングが300位以下はなかなか抜け出すのが難しい圏内です。
大型提携の発表などもあり底値は切り上げてきていますが、このまま注目を浴びず下位銘柄から切りあがれない可能性も十分あります。
しかしながら、まだ本格サービス前ということや、上場取引所が少ないため当然のランキング位置とも言えます。
また、認知度が低いので少額で大量保有できるタイミングでもあります。
投資戦略としては、正式サービスが来年なため、現在の低価格のうちに購入し来年まで長期での保有が基本的な投資方法かと思われます。
最近出来高も増えてきており、材料にチャートがしっかり反応し底値が上がってきているため、購入する場合はなるべく早いタイミングをお勧めします。
IXTが購入できる取引所
以上がIXTが買える取引所です。
取引高が多いHitBTCをおすすめしますが、残念ながら、日本人向けのサービス停止の発表がありました。
取引高は少ないですが、これから購入する場合はYoBitで購入が基本となるかと思われます。
今後信頼ある取引所に上場してほしいところです。