チャートの形状から未来の値動きを予測したり、トレンドの転換の目安となるのがチャートパターンです。
有名なものだと、三尊やダブルトップ(ダブルボトム)などがありますね!
チャートパターンは初心者でもすぐ実践に応用しやすいので代表的なものを含めていくつか書いていきます。
分かりやすいように図で説明していきますが、図のような絵に描いたようなパターンが出現することはごく稀です。
そのため、実際のチャートでパターンに当てはまるものを併せて載せていきますので、パターンを探す際の参考にしていただければと思います。
ダブルトップ・ダブルボトム
ダブルトップ、ダブルボトムは、相場の天井or底を判断するのに最もわかりやすい形状をしたチャートパターンです。
この二つはネックラインを突破することによりチャートパターンの完成となります。
ポンド円30分足
2度高値を試しに行くも上に突き抜けることができず、ネックラインを割れたことで勢いよく下落相場に反転していることが分かります。
ネックライン割れ(ブレイク)でエントリーをしたいところですが、一度ネックラインを割ったと見せかけて反発している部分がある点に注目です。
ブレイクの判断が早すぎてショートでエントリーしてしまった投資家は、ここで損切りをさせられてしまう場合があります。
逆に、ネックライン付近での反発を予想しロングでエントリーしてしまった投資家も、一時的にネックラインを割ったことで損切りが一つの選択肢に入ってきてしまいます。
実際の相場ではこのようなだましの値動きがある点に注意です。
ヘッド&ショルダー
三尊とも呼ばれるチャートパターンです。ほとんどの場合、図のようなきれいな形になることは珍しく、二つの肩と最高値を発見することでヘッド&ショルダーの可能性を見出します。
こちらも同じようにネックラインをブレイクすることでチャートパターン完成となります。
底値圏では、ヘッド&ショルダーボトム(逆三尊)を形成することでトレンド転換へとつながっていきます。
ユーロフラン週足
青丸が頭、両脇の緑丸が肩となりヘッド&ショルダーを形成しています。
このチャートでは、右肩下がりの形となっており、左肩の高値まで届かなかったことで上昇トレンドが弱まっていることを予想することができます。
ネックラインを割れたことで、急激な下落を見せています。
ピンクで囲った部分は、ネックラインがその後レジスタンスラインとなっていることが分かる部分です。このことからとても強く意識されるラインであることがわかります。
V字型トップ・V字型ボトム
こちらは、要人発言や経済指標などで相場が急変動した場合に多く見られるチャートパターンです。別名スパイクトップなどと呼ばれます。
反対はV字型ボトム(スパイクボトム)です。
このパターンはファンダメンタルズにより出現することが比較的多いので、テクニカル分析を無視した極端な動きとなることが多々あります。
一瞬のうちに多くの取引が集中することで急激な上昇を見せます。その後上昇の起点となったトレンドラインを割ることでパターンの完成となります。
どこまで上昇してどこまで下落するのか予想するのが大変難しく、何段階かに分けて上昇または下落を積み重ねる場合もあります。
短時間のうちに高値を付け急激に下落していくのが特徴なので、うまくいけば素早く利益を上げることが可能ですが、テクニカル分析が通用しない場合が多いのでエントリーする場合は注意が必要です。
ドル円1時間足
2016年の9月のドル円チャートです。
この日は日銀黒田総裁の会見での発言により、一度高値を見せた後急激な円買いによる下落を見せています。
高値から200pipsの大きな値幅で下落しており、市場に大きなショックを与えたファンダメンタルズでした。
最近では1日のうちにこのような変動を見せる相場はドル円では珍しくなりましたが、ファンダメンタルズ要因により売買が一方向に集中することでこのような極端なチャートを形成することもあります。
この場合はよほどファンダメンタルズに精通していない限りうかつに手を出すのは控えたほうがよい相場です。
ソーサートップ
ソーサートップは高値圏でお椀(ソーサー)型を形成するパターンです。底値圏ではソーサーボトムと呼ばれます。
ダブルトップやヘッド&ショルダーに比べると頻繁に形成されるパターンではありませんが、ソーサートップも天井の可能性を見出す重要なパターンです。
このパターンが形成される要因としては、買いと売りの売買が均衡しどちらにも抜け出せない状態にあることです。
難しいのが保合いやレンジと形が似ているという点です。しかし、ソーサートップの場合は、高値を付けた後さらに高値を更新することができず徐々に買いの出来高が減っていき下落に転じるというのが特徴です。
複数回のトライで高値を更新することができず下落に転じるという点では、ダブルトップやヘッド&ショルダーと考え方は同様です。
ソーサートップを形成した後には、プラットフォームというもみ合い相場が出現することがあります。
高値圏から下落したことにより、上からの売りと押し目買いが交錯して出現するもみ合い相場です。この部分がソーサートップのネックラインとなり、これを割ることでトレンド転換となります。
あまり出現頻度は多くはありませんが、ソーサートップ完成の可能性の一つとして把握しておくとよいかと思います。
ドル円1分足
短期足でのソーサートップの実際の形です。
上値トライを数えられるだけで7~8回ほどチャレンジしています。しかし、全て押し戻され上髭で終わっているローソク足もたくさんあります。
大きな下落は見られませんが、じわじわと買いの勢いが減っていき売り優勢となっていることがわかります。
このソーサートップを起点とし、約30pipsの下落が起こりました。
明確なプラットフォームは確認できませんが、もみ合いながら下落していき、少し大きめの反発を見せた後、戻り売り勢に押され長い陰線を形成しています。
ネックラインの考え方
ダブルトップ、ヘッド&ショルダーなどの項で説明してきたネックラインですが、単純に意識されるラインとだけ説明してきました。
高値圏、底値圏でのチャートパターンを分析するにあたり、ネックラインを意識することは必須です。
このラインをより理解することでトレードの戦術が立てやすくなるとともに、リスクの低い優位なトレードが可能となります。
ネックラインとは
日本語だとそのまま、首元という言い方になりますが、チャート上で言うと直近高値(安値)に引いたラインのことになります。
上昇(下降)トレンドでの安値(高値)では、押し目買い(売り)を狙った売買が入る為、そこで反発しさらなる高値(安値)を目指しに行きます。
ここで反発したポイントが直近高値(安値)となり、その後も意識される(売買が集中する)ラインとなります。
ネックライン付近でのエントリーとイグジット
ネックライン付近では多くの売買が集中するためより慎重にトレードする必要があります。
↓はドル円1時間足です。
ネックラインで反発しながら数度高値をトライするもネックラインを割れて下落に転じています。
ここでのエントリーを考える際に、ライン付近にどのような売買が存在するか考えてみます。
①押し目買い
②押し目買いの損切り(売り)
③新規売り
以上のような売買がライン付近に集中します。
ネックラインをブレイクした場合、新規の売りに合わせ押し目買い勢の損切りを伴うため、勢いよく下落する場合が多くみられます。
しかし、数度反発してきた強いネックラインをブレイクできるかどうかは予想することが難しいです。ブレイクせずそのまま高値更新ということも十分ありえます。
ここでのエントリー手法を2パターンを実際のチャートで紹介します。
1.ネックライン割れに損切りを置いた押し目買い
上昇トレンド継続を予想したシンプルな押し目買いです。青丸がエントリーの参考となる部分です。
ネックラインという明確な損切りラインがあるので、万が一ポジションが逆行しても最低限の損失に抑えることができます。
ただし、高値圏での買いとなるので利益が乗ったとしてもポジションの優位性は低いです。
2.リテストを待った戻り売り
ネックラインブレイクを確認した後の戻り売り(青丸がエントリーポイント)です。
前述しましたが、ネックラインでの反発orブレイクは予想できるものではないので、ライン付近での動きを確認してからエントリーするのがよりリスクが低くトレンドに乗りやすい手法です。
これまでサポートとして機能していたネックラインがブレイクされたことによりレジスタンス(抵抗)に転換する場合があります。これを試しに再度ライン付近まで価格が接近することをリテストといいます。
このリテストを利用し戻り売りポイントとするのが二つ目の手法です。
だましのブレイクに注意
ネックラインを髭で越えている二つの〇は、だましと言われる損切りを誘発させる動きです。一つ目の〇では押し目買いの損切りを、二つ目の〇では戻り売りの損切りを誘う価格の動きを見せています。
また、ネックラインブレイクに見せかけて新規の売りや買いを誘っています。
だましの対策としてはローソク足が実体でラインを抜けるかどうかを見てから判断することが一般的です。
また、移動平均線やMACDなどのトレンドの強弱がわかるインジケーターで判断する方法もあります。
私が使っている方法も紹介します。
単純で基本的な方法ですが、ネックラインを複数引きます。
ネックラインを1本に絞らないことで、エントリーポイントと損切ポイントをある程度の範囲から選定することができます。
また、だましのような行き過ぎた動きにも余裕を持った損切ポイントを明確に設定することができるので、無駄な損切による損失も減ります。
意識されるポイントを線ではなくエリアで設定することで、早すぎる判断が少なくなってきます。
まとめ
今回は、高値圏・底値圏の判断材料となるチャートパターンについて紹介しました。
高値・底値でエントリーできればある程度の値幅を抜けることが期待できますので、チャートパターンは積極的に見つけていくことをお勧めします。
ただし、あくまで高値、底値でのエントリーはトレンドに対し逆張りとなってしまいますので、より慎重なトレードを心がけたいところです。
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